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一期一会

 五十四歳の頃(脳動脈瘤になって)
 

     
 53歳の誕生日の頃、ちょっとした頭痛から見つかった『未破裂脳動脈瘤』
多分自分の人生の中でこれ程大きく降りかかる試練は、この先無いだろう。
もしあるとすれば、それは死


それほど大きなショックを覚えた。未破裂と云う事は破裂すればクモ膜下出血を
引き起こしていた訳で、

ちょっとした頭痛がたまたま気になり病院へ行ったった事。
先生がたまたまMRIでMRAも行ってくれた事。
血管の小さな点を見つけてくれた事。
このたまたまが僕の命を永らえてくれた…
全てたまたまの出来事だ。

それまで言葉すら知らなかった脳動脈瘤…調べてみると色々な症例がある事が分かった。
手術には、開頭してのクリッピング手術、血管内治療、いずれもリスクは大きくどちらを
行うかは場所、形状などで判断され決められる。僕の場合はおでこの表面に近い場所で
あった事と形状がカテーテル治療に向かなかった事で、開頭手術と決まった。

手術はおお事で保険の手術の対象としては最大点数となる。インターネットなどで調べると
手術時による後遺症が残る例やら合併症を起こしてしまう場合などが数多く記されている。
半身不随、目の症状、言語障害、脳への傷等による様々な症状。
調べ始めると手術をするかどうかの判断も視野に入れ考え始める。

大きさにもよるが破裂の確立は極めて少ない、が破裂すれば半分が死ぬ。

七_と云う比較的大きな瘤である事と、場所が手術としては行い易い場所である事と
何よりも、どうあれ、死への不安を払拭したかった事。
先生を信頼し信じ全てを任せる決心を何のためらいも無く迷うことなく心に決めていた。

昨日まで元気だった人が、今日、突然倒れ、一ヶ月後には半身不随で家に居る。
そんな光景を会社でも何人か見ている。脳梗塞にしろ同じだ。

そうなるかもしれない不安を払しょくしたかった。

何よりもまだ生きたかった。もっともっと季節を感じていたかった。


思い切って手術をお願いした事に、そして今がある事に
人に、自分に、感謝しています。

正直手術前の運命に近ずく毎日は、とても不安で怖かったけど
死…も思い色々整理したりしたけれど、
生への思いを強く持ち、手術の成功を信じることで、今日が迎えられています

手術台に横になり麻酔を入れられた時、死ぬ事を感じました。
麻酔がとれ意識が戻り病室へ帰るベッドの上から窓の外の日差しを受けた時
生きる事を感じました。

正直それからは少し自分も成長した様な気がします。

とりとめの無い綴りになりましたが
下記の記録も読んでみてください
 未破裂脳動脈瘤クリッピング手術  
     

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