剱岳(2999m)~早月尾根 ホームに戻る
山の風に誘われて 目次に戻る

2012.8/4(土)~5(日)     4名

                  アルバムはこちらから    剱岳の展望
地図とコースタイムはこちらから

所属の山岳会で、奥穂からジャンダルムを経て西穂への縦走を、『連れてってくれ~、連れてって、』
とずっと前から叫んでいて今回自分は会議で行けないのだが…この日に計画していた。
が、自分の会議が中止になり行ける事となったため即連絡してみると、西穂の計画は中止し
剱岳へ行くと言う。
それでもOK!憧れの山だ!
即申し込んで、会のKさんリーダーでK君、も一人のK君、そんでもって俺、計4名で剱を目指す。
天気予報は快晴予報で、夕立豪雨と雷以外は心配ない天気だ。
前夜泊で出発だ。憧れの剱…行くぞ!

8/3(金) 馬場島、前夜泊     

関東成田出張から帰り、車に用意していたザックを積み込み家での滞在時間1時間位で
メンバーとの待ち合わせ場所に、今回のメンバーはリーダーのKさん他二名のK君、
そして自分だ。三日間の教員講習を終えてその足で駆け付けた今回の運転手K君は
自分よりも家での滞在時間は短かったようで、お互いハードな出足だった。

高速を白川方面に走り小矢部JCを北陸自動車道へ入ると親不知方面へ、立山インターを降り
上市池内を登山口である馬場島へ向かう。
途中、工事中で通行止の看板があり良く読むと、午前一時に解除予定とあり残り20分位だったので
その場で待機、同じ登山者なのか後続に4台ほどつけてお互い待機するが、時間になっても
解除されないため工事現場まで出向き強引に解除してもらい登山口に到着。
既に2時近くだ、早々に馬場荘の屋根下で適当にお腹を満たしシュラフに潜り込む。
夜風が冷たく眠れているのか?うつらうつらで朝の4時を迎える。
                    

8/4(土) 早月尾根~早月小屋まで 

馬場島の駐車場は大人気でほぼ満車、既に剱岳に向けて歩いて居る人も居るようだ
無理やり朝のパンをお腹に押し込み、早々に準備をして
Kリーダーを先頭に  いざ!!


見上げれば早月川の上流に剱方面、小窓が荒々しく聳えている。
あそこまで登るのかぁ?
山渓8月号の急登特集に富士山に次ぐ全国2番目の急登として紹介されていた
早月尾根、標高差2240m、平均斜度14.6度

憧れの剱岳登頂は厳しいなぁ
大人気の馬場島駐車場から小窓尾根 安全を祈願していきなりの急登を登る  立山杉の巨木に迎えられながら展望台へ
           
初っ端からの急登で、歩き始めから汗だくになりながら30分程で
1000m地点の展望台に到着だ。
ここから小窓尾根が更に近くなって聳えている、
本当に岩の突き出た荒々しさが伝わって来る。

暫くゆるゆるの登山道を、此処は屋久島かいな?と錯覚する様な
大きな立山杉と戯れながら登ると、
いよいよ本格的な急登の連続が始まる訳で、今まで冗談云いながらの
歩きも何時しかミーンナ無口になりハーハー、ゼィゼィだけが
聞こえて来るようになる。

それでも今回は軟弱小屋泊まりなんで荷は軽い筈なのに…
時々トレイルランやら日帰りピストンの若者たちに追い抜かれながら
でも、そんな事は気にも止めずにマイ会ペースで詰める。
あら?ここは屋久島か?
           
1200m地点から更に斜度は増す林間の尾根歩きで
陽は遮られており、時々頬を撫でて通り過ぎる風が
なんとなく秋彩いて爽やかだ。
1400m、1600mと200m毎にある案内が今回は
励みになる。が正確には40m位違っている様だ。

尾根の北方面には毛勝三山の猫又岳や赤谷尾根を
形成する赤谷山、白萩山、白ハゲが見える。
何時か毛勝三山にもチャレンジだ。
猫又山、赤谷山~白萩山~白ハゲ
           
此処まで少なかった花も少しずつ目に止まるようになり写真が忙しくなる。
1800mを過ぎると南には、深い立山川の険しい谷とクズバ山、その向こうには大日岳が現れる。
何時かスキー背負って行きたいな
           
大日岳と中大日岳、右は拡大、真ん中に小大日小屋が見えた 三角点 
           
花とそよ風とロケーションに癒されながら更に詰めると三角点が現れた。
標高1,920m地点、「剱岳 点の記」で柴崎測量官が設置した三等三角点だ、角が取れて丸くなっていて
月日の流れを感じますなぁ。

此処からも急登はまだまだ続き只管登るのですが
数多くなってきた花々に応援?されながら時々休憩をしっかり摂りながら登り詰めます。

それにしても真っ直ぐ眼下に登り口の馬場島が何処まで行っても見えるってのは
この尾根が真っ直ぐ急斜面で突き上げているんだな!ってのが良く判る訳で、
沢で大袈裟に言ったら滝の上から滝壺を見ている様なもんかな?
そんなこんなで、ゆったりペースを乱さず登り詰めると、ヘリポートにもなる丸山へ
少しガスに隠れているが、やったぁ!小屋だ!今宵の宿だ。

           
 
タチツボスミレ ヤマハハコ モミジカラマツソウ キヌガサソウ イワイチョウ ツガサクラ
           
休憩しつつ眼下を見下ろしつつ小窓尾根を眺めつつ グングン?登り詰めれば小屋到着です。
馬場島から早月小屋まで標高差1484m、コースタイム5:30のところ我らは1時間余分の6:30、
寝不足と前日までのハードスケジュールが祟ったかな?

小窓と言う部屋に案内され先ずはビールで乾杯、その後は睡魔に襲われるがままに眠りにつき
夕方夕日を摂りに丸山へ

ガスがでてロケーションは今一だが赤く沈む夕日は綺麗で、明日の好天を約束してくれている。

小屋は結構賑やかでテン場は場所が無い位混雑していた。
此処までテントを担ぎ上げる皆さんを尊敬しつつ
サバの煮つけの美味しい夕飯を頂き、何時しか眠りに就く。

あぁ~っ、今回は結構ちかれたなぁ…
           
夕日に染まる小窓尾根、立山(遠く浄土山)右は奥大日岳 今日一日の無事を感謝して 
           
                         

8/5(日) 剱岳(2999m) 

翌朝は四時前に目覚め頂上を目指して暗い内に出発だ、
早い人は御来光目当てなのか、3時位から既に活動しているらしい。
未だ暗い4:20に歩き始める 朝の立山 早月小屋を見下ろす 今日も急登だ
           
まだ薄暗い時間に、昨日のうちに余分な物は小屋にデポする様準備しておいたザックを担ぎ
テン場奥の登山口から剱岳を目指す。
昨日と打って変わって良く寝たせいか足取りも軽い。
暫くは樹林帯の急斜面を登り詰め、2300m付近からハイマツ帯になり陽を浴びる様になる。
           
2300m地点の広場で一休みした後は、ロケーションも良くなり、
剱岳山頂も見えて来る
急な尾根歩きになる。残雪あり、浮石ありで慎重に行くが
周りのお花畑に足を止められつつ、写真を撮りながらの山行だ。
やがて2800m地点の狭い場所に出る。頂上まであと700mとある。

休みつつロケーションを写真に収めながら更に登り詰めると
いよいよ早月尾根の核心部、池ノ谷側の脆そうな岩稜帯を
両手を使い慎重に行く。時々覗き込むようにして見える
急峻な谷、東大谷だ。落ちたら最後だね。慎重に

それにしても花が綺麗に咲いている。
赤谷山を流れ落ちる滝雲 
           
ガレたハイマツ帯の登山道は雪渓あり岩場ありで結構厳しいが楽しい、一気に1800m地点まで詰める
           
クルマユリ エゾシオガマ カイタカラコウ イワベンケイ  ミネウスユキソウ ウサギキク
           
ミヤマキンバイ コガネキク ハクサンイチゲ チングルマ トウヤクリンドウ ミヤマオダマキ
           
           
東大谷側のハイマツ帯を登り詰めると池ノ谷川の大きな岸壁の鎖場を渡る、此処が獅子頭の岩場らしい
慎重に渡りきると池ノ谷の残雪の脇を登りカニのはさみの鎖場を垂直に近い角度で登る。
途中見える立山の室堂は手が届きそうなくらい近くに見える。

厳しい中にもロケーションが素晴らしい、疲れを忘れて楽しい岩稜の登山だ。
           
獅子頭の鎖場 カニのはさみの池ノ谷の雪渓 カニのはさみはここいらか?
           
カニのはさみの鎖場を超えると立山からの道との合流地点だ
あっちからは大勢の人達が頂上目指して登ってきている
一服剱、前剱からカニのヨコバイ、カニのタテバイと険しい岩稜帯を越えている姿が見える。

合流地点からは岩場を登れば祠のある頂上に…
達成だ!
小屋から3時間チョイ、ほぼコースタイム通りに登って来たわけで…
それにしても頂上は大人気で座る場所もないみたい?
小窓方面の斜面で写真を撮り、お腹を満たし、少し休憩する。
この快晴の天気に恵まれた事に感謝ししつつ、360度のロケーションを満喫する。
           
やったね!剱岳 登って来た早月尾根 前剱と剱御前遠く立山
  前剱と剱御前遠く立山  
北薬師岳~薬師岳~黒部五郎岳、笠ヶ岳 遠く富士山 八ッ峰と長次郎谷
     
源次郎尾根と平蔵谷 剱尾根と池ノ谷 白馬三山
     
鹿島槍ヶ岳~爺ヶ岳 鹿島槍ヶ岳 爺ヶ岳
      
前剱、剱御前、浄土山~龍王岳、
左に雲に隠れた雄山~大汝山~別山
室堂に国見岳~鷲岳

遠く北薬師岳~薬師岳~黒部五郎岳、笠ヶ岳
遠く毛勝三山、
その手前に赤谷山~白萩山~白ハゲ
小窓尾根、
剱尾根
     
初めての剱頂上は快晴の下、素晴らしいロケーションをいただき、写真に収めゆっくりして下山開始だ
今度チャレンジする時は、立山、室堂もゆっくり満喫しながら訪れたいな。
そんな思いを馳せながら来た尾根を下り始める。

早月尾根の核心部は、登りよりも下山の方が注意が必要…と自分に言い聞かせながら
カニのはさみの鎖場をこなしながら慎重に下山する

途中、登りに収めきれなかった花の写真を更に撮りながら先ずは小屋まで帰る。
           
ヨツバシオガマ ミヤマリンドウ チシマギキョウ ヤマブキショウマ ゴゼンタチバナ ミヤマトリカブト
           
頂上を離れたのは8:15位か?
途中、朝4時位に馬場島から登って来た、多くの日帰りピストンの
登山者たちとすれ違い、若者の体力に感心させられる。
それも、意外に女子も多い。
ロンドンオリンピックの金メダルと言い、日本の女子は強い!!

慎重に下山し小屋到着は10:30、約2時間15分での下山だ。
小屋にデポして置いた荷物をザックに詰め込み

気の優しそうな小屋番管理人と挨拶を交わし
一挙に下山だ。
馬場島到着は14:10、小屋から3時間30分位で休み休みの下山だ
   
マツムシソウとクジャクチョウ
           
下山後、馬場島荘でお風呂に入り一路高速で帰ってきました
途中庄川辺りで10Kの渋滞情報があり、白川から御母衣ダム経由で川を見ながら帰って来ました。
先週の北岳と言い今回の剱と言い、アルプス満喫のこの頃です。

K君、長距離運転有難うございました

小屋からのパノラマ写真です
           
  立山室堂方面  
           
  小窓尾根方面  
                                   

ホームに戻る
山の風に誘われて 目次に戻る