槍ヶ岳 (標高3180m  標高差1675m)

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2010.5/1(土)〜3(日)春山合宿  6名  

アルバムはこちらから 空撮映像(毎日新聞)

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標高(上高地(1505m)〜ババ平(2000m)〜肩の小屋(3080m)〜槍ヶ岳頂上(3180m))
1日目5/1   瑞浪P   沢渡P   上高地P   河童橋 明神館 徳沢ロッジ   横尾山荘 
(着) 3:50 6:45 7:35 7:55 8:35 9:30   10:37
(発) 3:30 4:00 7:10 7:50 7:57 8:48 9:40 10:50
一ノ俣谷   二ノ俣谷   槍沢ロッジ   ババ平
テン場
 
(着) 11:50 12:08 12:40 13:38
(発) 11:57 12:08 12:55  
2日目
5/2
ババ平
テン場
  大曲   天狗原分岐   殺生
ヒュッテ
  槍ヶ岳山荘   槍ヶ岳頂上   槍ヶ岳山荘   ババ平
テン場
(着) 起床3:30 5:50 7:10 8:20 9:20 10:57 12:00   14:18
(発) 5:10 5:50 7:20 8:25 9:10 11:10 12:20
 
3日目
5/3
ババ平
テン場
  槍沢ロッジ   横尾山荘   徳沢ロッジ   明神館   上高地P   沢渡P   瑞浪P
(着) 起床4:30 6:35 7:56 9:00 9:55 10:45 11:20   4:30
(発) 6:15 6:45 8:05 9:10 10:05 10:50 11:30
 
1日目 歩行時間 標高差 2日目 歩行時間 標高差 3日目 歩行時間 標高差
含休憩 5:48   500m     9:28   1180m       5:00   500m

山岳会に入会して約1年、こんなに早く憧れの山に登る機会が訪れようとは…
春山合宿の計画が発表されてから、仕事の調整と身体の調整に励み、ついにその日を迎えた。
一様、装備だけはいっちょ前
に揃えていたが、正直ピッケルなど使った事が無い素人が行けるのだろうか?
不安だらけだが、いつもの様に何とかなるだろう…何だって最初はあるのだから…とベテランの会のメンバーに
おんぶにだっこで出発したのだ。

最高の天気が予想され、期待感一杯でワクワク気分だ。

念願の夢にまで見た『槍ヶ岳』制覇に向けて気合を入れて出発だ。

5/1(土) 1日目   快晴

朝三時起きで集合場所へ10分前に到着すると、リーダーのK君が既に待機しており
次々とTさんとヤングK君、多治見のNさん瑞浪のNさん6名が揃い、共同荷物を詰め込み
僕とK君の車2台で沢渡に向けて出発した。
気温は低く2℃、藪原から先の境峠では雪が積もっており5月なのに異常な気温に驚かされた。
沢渡の駐車場は流石にGWだけあって混雑しているがいつもの場所に駐車させ、
共同装備を分担してザックに詰め込み出発だ。
 6人のマイホームは新人のヤングK君の役割で流石に重そうだ。僕のザックはせいぜい19K位か?

2台のタクシーで上高地まで行き、いざ出発だ!
沢渡駐車場で準備中 タクシーで到着 \4000 鯉のぼりの泳ぐ河童橋
           
何度来ても良いなぁ〜、上高地、心の故郷です。でも今回は行った事のある明神から更に奥へ…、
どんな感動が待ち受けてくれるのか、期待感で一杯だぁ〜。
其々重い荷物を背に平坦な登山道をグングン歩きます。
朝の心地よい冷気が頬を掠めて気持ちいい。
やがて、何度も来た事のある明神館で小休止、ここからは初体験だ!
梓川沿いの登山道を40分程で徳沢ロッジへ到着。テントがカラフルで結構人が多い。
此処でひと休み…
休憩は、ほぼ10分程で、行動食を思い思いに口にしてエネルギー補給だ。バテ無い為にも大切だ。
           
河童橋からの見なれた風景 明神館に到着 春先の梓川
           
逆さ明神岳 徳沢だ。テントが多い ひと休み
           
徳沢を後にすると、同じように梓川沿いの登山道が続く。前方に時折見える蝶ヶ岳、
左には前穂の姿が優しい。アルプスの中心に居る実感が迸る。それにしても暑くなってきた。
朝の冷気がうその様だ。直ぐに『新村橋』を過ぎ樹林帯と川原沿いを繰り返し50分程で横尾山荘に
到着だ。此処もテントがカラフルに張られ人も多く静寂な山中のイメージは無い。
大都会だ。殆どの人が涸沢に向かう筈だ。それにしても雪が多い。この先大変かな?
           
対岸に優しく聳える前穂高 梓川沿いをひたすらに 横尾のキャンプ地と涸沢への横尾大橋
           
鯉のぼりが元気に泳ぐ横尾で装備を整え、いよいよ雪の登山道に
入り込む。此処からは賑やかな人の列も一気に無くなり振り向けば
我々だけだ。
梓川の左岸の樹林帯の中を歩くとワサビ沢を過ぎ、槍見川原に出る。
字の如く『槍ヶ岳』
 の穂先が見えるのだが木が邪魔をする。
やがて岩魚の居そうな支流、一ノ俣谷、直ぐに二ノ俣谷の橋を渡り
斜度を上げていく。
振り向けば蝶槍が見える。
樹林帯を登ればいよいよ今日の目的地は近い!
槍沢ロッジは目の前だ
ロッジで一息つく。
 
大都会?
           
屏風の頭の屏風岩 槍見河原から見える槍 一ノ俣谷の橋を渡る
           
 
振り向けば蝶槍 槍沢ロッジでひと休み 灌木の間に槍が
           
槍沢からは一気に高度を上げるが直ぐに本日の目的地、ババ平に到着だ。テントは5張り位で
少ない。少し小高い木々の中の広場を利用してマイホームを設営。時間はまだまだ早いが
とりあえず『カンパーイ』ザックに忍ばせてきたビールと、皆は槍沢で買ったビールとで宴の始まりだ

心地よくなった所で少し休み、夕食の準備に取り掛かったのは三時位か?カレーでお腹も満腹です。
その後は風の強い中、明日の登頂に向けて皆深い眠りに着いた。
 
           
テン場の風景 整地? マイホーム
           
宴の始まり 暮れゆく東鎌尾根 夕陽

5/2(日) 2日目   快晴 少し霞がかかる 

3時起床、真っ暗な中朝飯の支度に取り掛かるが、結構風が強く寒そうだ。
今日は標高差1200メートル余りを一気に攻めて、念願の槍ヶ岳の登頂に期待が膨らむ。
昨日の荷物とは打って変わって軽いが、足がついて行くか心配だ。朝焼けのテン場を背にしてしまった雪の中
アイゼンの食い込む音が心地よい。
大曲を過ぎると超ワイドな槍沢が広がり、朝陽を受けて
綺麗なパノラマだ。
一気に斜度がきつくなりグングン足を上げるが結構きつい。アイゼンとピッケルの練習も兼ねてどんどん高度を
稼ぐ。やがて天狗原分岐辺りから更にきつくなり休み休み、一歩一歩の足並みだ。

スキーを持って来たくなる様な広大なゲレンデが広がっている。次はスキーだ!と、心で思う。

やがて右斜面の雪の中に『殺生ヒュッテ』
が沈んでいる。槍もだいぶ大きく見えてきたが、ここからは最後の急登だ
4時間10分で肩の小屋まで到着。予定より少し早い。
           
朝焼けの中の出発 モルゲンロート ダイナミックな槍沢
           
雪に埋もれた殺生ヒュッテ 槍は近いぞ!最後の踏ん張り 肩の小屋へ
           
下から見上げれば結構雪が付いている。リーダーの指示のもと、
一様ハーネスとザイル着用で取り付きに向かう。が正直怖い!滑って
落ちれば命は無いだろう?先行者は熟練に見える2〜3人位で
未だ雪は足跡も少なく堅そうだ。

最初にNさんがザイルをリードしピッケルを打ち込みながら登る。
『氷が堅く結構ヤバいよ!!』の叫び!!えっ!俺みたいな素人、大丈夫?

引き返したい気持ちとは裏腹に身体は頂上目指していた。
ザイルを使いピッケルとアイゼンをフルに活用し、一歩々慎重に…
ザイルが手から離れた所で雪壁のトラバースを怖々クリアーし垂直梯子に
取り付く。頂上だ!!!
 穂先 
           
足がすくんだけど登頂しました。感動と人生を頂きました。
生きていて良かった。こんな素晴らしい感動を自分のものに出来るなんて…
全員、登頂し喜びあい写真を撮り暫くロケーションを楽しんでいると、GWの雪山取材なのかヘリが旋回しています
手を振るが遠く見えないのだろう。
無事の登頂を心で感謝し下山に向かう。

下山も厳しく後ろ向きにアイゼンの先とピッケルをしっかり打ちこみながら、岩場では引っかかりを一つづつ
確かめながら何とか無事に下山でき、美味しいオレンジジュースで乾杯だぁ


それにしてもビビりまくりの登頂だったけど、それ故感動も、達成感も一入です。
           
 頂上にて 西鎌尾根先は常念岳 帰りは慎重に
           
やったぁ〜全員無事下山だ オレンジジュースでカンパーイ シリセードでスイスイに
           
疲れた身体に鞭打って一挙に下山開始です。急斜面ではシリゼードでピッケルでの制動の訓練を兼ねて…
一気に下り大曲まで来た所でひと休み。
ババ平へは未だお昼?てなことは無いがそれでも2時だ。
予備食のラーメンを一気に啜り、今日の為にとKさんがくれたワインで乾杯!
美味しいなぁ… 格別のインスタントラーメンとワインだ。

少し皆横になり夕寝の待夢。
その間テン場を散歩して暮れゆく東鎌尾根方面やら岩壁の赤沢山方面、蝶ヶ岳方面のロケーションを
楽しみました。本当に心が癒されます。
           
夜の帳の下りる頃 蝶方面 赤沢方面
           
夕食はこうや豆腐とスープお茶付、それにソーセージなど豪華晩讃だ。
延々とワイン、焼酎、日本酒で宴はつづき、疲れた体を横にすれば誰からとなく深い眠りに堕ちていた
 。

昨晩と違い風も無く静かな夜だ。深夜メールに起こされ外に出て見ると、雲一つ無い月夜なので星の明かりも
少し遠慮がちだが、満天の星空が広がっている。暫し昔を思い出し一人静かに時を楽しんだ。

5/3(月) 3日目   快晴

翌朝は目が覚めたら起きよう…と、時間指定は無かったが誰や彼やガサガサ動き始めると皆つられて起きるのだ。
4時半だ。早々に水を作り残った食料をふんだんに使い朝ごはんを終える。

誰が支持する訳でもないが自然にそれぞれが自主的に動き片付けはあっという間に終了だ。
マイホームを最後にたたみ、下山開始は6時ちょい過ぎだった。
少し湿ったマイホームはK君が引き受けてくれて皆、感謝だ。

二例二拍手一礼…山に無事を感謝し上高地に向けて下り始める。
           
マイホームの片付け 下山開始だ 槍にお別れだ
           
また来よう…この沢へ 徳沢 新村橋
           
順調にスピードを増してどんどん下山する。殆ど昇り返しが無いので楽だ。
槍沢では槍に最後のお別れを云い、二ノ俣では沢の岩魚に別れを告げ、横尾では鯉のぼりにさよならを云った。
新村橋ではNさんから教えて貰った『奥又白池』新たな冒険の血が騒ぎ、また来る事を心に誓った…

其々10分程の休憩をし、徳沢〜明神〜河童橋、と順調に戻った。
GWに来るのは初めてだが徳沢からは観光客が多く、特に明神からは子供連れも多く流石に日本有数の
山岳観光地であることを認識させられる。

疲れた顔で大きな荷物を背負ってただ黙々と歩いている我々は、観光客の目からはどう見えるのだろう…
           
 
徳沢 明神 河童橋と焼岳
     
上高地からは二台のタクシーに分乗して、沢渡駐車場でそれぞれに
分乗し『沢渡の上高地ホテル』で3日ぶりに汗を流し
瑞浪着は渋滞も無く4時半だった


今回の春山合宿は、何と云っても、ピッケル、アイゼン、ザイルをフルに
使った経験だろう。
無事で良かったと自分も誉めたいが…やはり経験豊富なメンバーの
導きがあっての登頂だった。

皆さん、有難うございました。
またお願いしますね。
ネコ柳と穂高
           
追伸…今年の夏には単独テント泊で『奥又白池』に来たいなぁ…

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