八ヶ岳縦走 (赤岳~横岳~硫黄岳)
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2013.1/5(土)~6(日) 3名 赤岳展望荘泊 

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今年の会の冬山登山の計画を11月位から練り始めた。今年の正月はみんな用事があって
難しい様だ。どちらにしても正月山行は無理な自分としては
年末に連休で、正月明けの連休で…なら参加できるかな?そんなこんなで
会山行冬山パートⅠ~乗鞍岳、パートⅡ蝶ヶ岳、パートⅢ西穂高岳の計画を立てた。

ⅠとⅡが終わった頃、年末年始の山の遭難事故が相次ぎとても不安になる報道が続き
結局、天気も少々気になるし、西穂を中止し八ヶ岳縦走に計画を切り替える。

当日の朝、天気は上々、冬山登山に期待を膨らませて慎重に出発だ
ベテランKken君とKko君の若者に自分が交じっての三人での山行だ
ワクワクだね。

1/5(土)     

早朝3:15起床、さっさとお湯を沸かしポットに詰め込み車を走らせる
寒い!!
瑞浪で仲間を乗せてR19で中津まで、途中の気温掲示は-5℃だ
中津から中央道を北上し、リニューアルした諏訪のSAでお腹を満たす。諏訪のICを出ると
-11℃となっている。コンビニで買い出しし、薄明るくなって来た空に浮かび上がる
八ヶ岳のシルエットにテンション上げつつ美濃登へ向かう。
美濃登口からは圧雪の雪道林道で唸りを上げるランクルに全てを任せてゆっくり登り、
目的の赤岳山荘Pに到着したのは計画通り7:00だ、美濃戸口の駐車場も一杯だったが
この奥もほとんど満車状態だ、流石関東圏の人気の山だね。

駐車料金二日分を支払し早々に準備をして歩き始める。今回は南沢を行者小屋まで詰め
そこから八ヶ岳最高峰の赤岳にアタックだ。
気になっていた天気も上々、雪の白さが目に心地よい。
全てを覆い隠し美しさだけを放つ白の世界だ、畏れを感じるほどの白だ。
シルエットにテンション上げて駐車場から真っ白な南沢をグングン登る
           
登山道途中で出逢う自然の光景には
何時もながらに感動がある。
雪と風との美の芸術、
氷の創り出す様々な美しい結晶の世界、

フワフワ雪の織り成す癒しの空間

なんと自然は素晴らしい事か?

そんな光景を目の当たりに受け止めながら
グングン登れば開けた白河原に出る。
ここからの八ヶ岳が、ドーンとまた素晴らしい姿で迎えてくれる
白河原から見上げる横岳方面
           
白河原からはカラマツ針葉樹林帯をゆったり進みやがて行者小屋に出る。
多くの人達がここからの本格的雪山に備えて準備している。テントも結構張られているなぁ、
上を見上げれば赤岳を目指す人たちがアリの様に列を成して登っているのが見える。
文三郎尾根も地蔵尾根も大人気だ! 真っ青な空!快晴だし!

ここで一息入れて、アイゼン、ピッケル、ビーコンを身に着け、動作を確認し
いよいよ我々も冬山にチャレンジだ、
きりっと引き締まる思いが不安と期待で、ワクワクする。本当にワクワクだ。
両手を合わせ無事を神頼みし、もう一度緊張感を昂ぶらせて…いざ!!!
           
南沢を詰め行者小屋へ到着、準備を整え赤岳に向けていざ! 素晴らしい天気だ
           
八ヶ岳は寒い!行者小屋まで林間なのに体の芯まで冷えてくる感じが
していた。小屋からの文三郎尾根もこんなに良い天気なのに体が寒い
きっと-15℃はある感じだ。それでも歩き始めれば汗が出るから
困ったものだ。汗が冷えて更に体が冷える?
衣類の選択が大事だね。
そんなこんなで寒い中文三郎尾根の急な雪道をグングン登り
やがて森林限界へ
見上げれば阿弥陀岳への急登に多くの登山者がへばりついている。
ここから見上げる阿弥陀岳、なんとも云えない美しさを感じる。
未だ未踏の山だ、冬に登りたいな。
   
阿弥陀岳
           
真っ白な穢れの無い雪を纏った中岳、阿弥陀岳を目の前に見ながら急登を登り詰めると広場に出る
ここから南アルプス、御岳、中央アルプス、そして北アルプスへと展望が一挙に広がり
雲の無い青空にアルプスが聳える。来て良かったね…既にそんな思いだ。
風も比較的穏やかだ。

そんな光景を見つつ更に上を目指すと中岳への分岐だ。ここからいよいよ赤岳への岩稜帯の登りが始まる
見上げるだけで緊張感が高まる。
下山して来る人と道を譲り合いながら岩場を鎖を辿ってグングン登る。
慎重に一歩づつ…
あっという間に竜頭峰との尾根に出ると今まで見えなかった東、北方面の景色が目の中に飛込んで来る

富士山だ!
それも目の前にどっしりと…   綺麗だね。
           
文三郎尾根の急登を登り中岳との分岐を過ぎればいよいよ岩稜の鎖場だ!!
           
赤岳山頂手前にて

富士山に感動!!
           
富士山に感動し、赤岳山頂にて360度のパノラマに感動し、写真を撮り捲り今日のお宿の
赤岳展望荘に向けて下山だ。
頂上は貸切だったけれど意外に風が強く、長居は厳しく直ぐに下りました。
それにしても展望は素晴らしく、遠くまでしっかりだ。
頂上から小屋までは意外に急で、滑れば滑落!ってな感じで慎重に…
小屋着は13:30、歩き始めは7:30だから6時間の道程だ。
小屋では個室に案内されてゆったり、夕食前の長い時間はワインを飲みながらダラダラと…
その内阿弥陀岳方面に夕日が落ち始めカメラ片手に外へ出るが寒くて寒くて…
それでも感動です
ちょいと早めの夕食は豪華バイキングで5:15から頂きました。
後は部屋の布団に丸まってなんとなくダラダラと…
剱での遭難のニュースも新しく流れたりして、無事で良かった、明日も慎重に…
心で呟きながら長い夜をウツラウツラと…
           
赤岳山頂から小屋へ…小屋は快適で夕食も豪華バイキングで食べすぎです。
     





山頂からのロケーションは



sunset 陽の落ちた諏訪湖    

1/6(日)   

朝は6時起床、長い睡眠時間の割に山では熟睡できずウツラウツラだった。
それでも起きてみれば爽やかで腹も何故だか減っている。
日の出時間の6:50を意識して食堂へ向かう、外は未だ真っ暗だ
少し寛いでいると朝食の案内がありそのまま頂く。朝食も美味しそうなバイキング、
昨夜の反省を学習して朝食は食べられるだけ…少し上品に…
そんなこんなで食べ終わる頃に薄明るくなり、部屋に戻り早々準備だ
7時チョイ過ぎ、ザックを担で外に出れば今日の始まりだ。朝陽が温かく迎えてくれる。
またまた感動だね!


朝陽を受けて今日の縦走に…いざ!、でも他に活動開始する人は誰も居ない。
みんなゆっくりここから下山かな?
小屋から尾根を少し下れば地蔵の頭だ。いよいよ此処から八ヶ岳縦走の核心部に向かう訳で
見上げる横岳方面への急な岩稜が、不安と期待を抱かせ、ワクワク気分だが、慎重に…を心で呟く。
少し風もあるが今日も良い天気が期待できそうな空だ。
赤岳展望荘を後に縦走スタート、地蔵の頭から雪の岩稜が待っている
           
最初の雪稜は急登で梯子ありの急登で二十三夜峰を登る、
少し下ると次のピークだ
日ノ岳を回り込むように雪の被った一枚岩の斜面を登り詰めると
鉾岳直下のテラスに出る。ここまでが核心部のパートⅠだ。
鉾岳の急な南斜面をトラバースし岩場を鎖伝いに登ると
石尊峰に出る。ここで少し景色を満喫し
小さなコルを越せば三叉峰だ。ここから延びる杣添尾根への
標識が立っている。

ここから広い尾根をゆったり歩けば
目標の横岳(奥の院)に辿り着く
歩き始めて1時間15分、8:35だ、風も穏やかでロケーションは最高!

雪煙の中の富士山
           
二十三夜峰へ 鉾岳を後ろに これから越す石尊峰 大権現の碑のある石尊峰 三叉峰にて 横岳制覇
           
横岳から赤岳、阿弥陀岳 浅間山と小諸 諏訪湖
           
横岳からのパノラマは赤岳からと同様に素晴らしく
三つのアルプスが素晴らしい、加えて浅間山~北東方面までくっきりだ
あれが妙義山か?その向こうが秩父の金峰山、五丈岩か?
そんな感じで素晴らしい眺めを満喫できた。

名残惜しいが横岳でのパノラマを写真に収め
目指すは硫黄岳、急な梯子を下り広い稜線をゆったり歩く。
それにしても風も無く最高の縦走である。
硫黄岳山荘まで下った所で今まで誰も居なかった筈なのに
目の前に突然人が?聞けば大同心尾根を登って来られたとの事、
きっとハードなのだろう、疲れた足取りで硫黄岳を目指しておられた。
小屋からの登りは意外にきついが景色が後押し、あっという間に
硫黄岳到着だ。
横岳から硫黄岳への稜線
           
         
横岳から急な梯子を下り広い稜線を歩けば硫黄岳山荘へ、ここから硫黄岳を詰め林間を赤岳鉱泉まで下山
           
 硫黄岳からのパノラマも素晴らしく写真に収め
ここから一気に林間を下り赤岳鉱泉へ、
ここでアイゼンをはずしてグングン下れば駐車場まで
1時間かかからずだ、
下りは早いね。
樅の木温泉で汗を流し高速で無事帰って来ました。

今回の往復距離370㎞

初めての冬山八ヶ岳、それも核心部の縦走
終わって見て達成感充実の
楽しい山行でした。
 
硫黄岳から蓼科山~縞枯山、
北横岳、双耳峰の天狗岳
                    

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